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最終選考候補作品(ベスト5)決定!


『今、高校生が観るべきドキュメンタリー映画!』最終選考候補作(ベスト5)が決定しました。これらの作品は、全国の「高校生選考委員」が対象の100作品の中から、今、高校生が観るべきドキュメンタリー映画として最も相応しいものを学校ごとに議論し、推薦していただいたものです。また集計にあたっては、学校推薦作品が、なるべく多くの視聴によって時間をかけて選ばれているかを重視しました。


その結果、以下を最終選考候補作品(ベスト5)として選出しました。

推薦理由文は、選考委員がしっかり作品を視聴した学校の推薦文を掲載しました。


①   『ラスト・ツーリスト』

選考過程では「ラスト・ツーリスト」と「命がけの離婚」の二作品が僅差であった。120点満点で点数をつけた結果、93:92で「ラスト・ツーリスト」が選ばれた。「ラスト・ツーリスト」では、視界の隅に隠れていた問題を認識した。また、観光と称したエゴが現地の人々を苦しめている可能性を知った。印象的だったエピソードは孤児院だ。ボランティア団体によって、安全な孤児院が作られた。メリットしかないように思える。しかし孤児院の存在が家族の離別の要因なのだ。一方、命がけの離婚ではトルコの離婚事情を通して、男女格差と権威主義の悲劇を目の当たりにした。離婚を切り出した女性に対して、夫は怒り発砲していた。しかもそれは社会的に厳しく罰されない。衝撃であった。この二作品を新たな気づき・感情の揺さぶり・得た学びの多さの三項目で比較した。結果、票数が多かった「ラスト・ツーリスト」を推薦。

②   『HIKIKOMORI』

「引きこもり」状態の人々には、簡単には抜け出せない「心の病」が背景にある。人と交流するのが辛いと苦悩する本人と、どうにかして社会と繋げたい親、そんな親子の苦悩に寄り添う者、「引きこもり」の状態を生み出す「心の病」の解決の糸口を探ろうとする者。それぞれが抱く葛藤がリアルに映し出されている。「引きこもり」先進国と言われている日本は、現代社会への復帰を促す対策を考えなければならないと感じた。

③   『決心のとき 患者に寄り添う医師たち』

この映画は私たちに命の価値について考えさせるとても興味深い作品でした。映画に出てくる寝たきりで人工呼吸器をつけて生活しているまだ年若い青年。この青年の命は、殆どのことを自分で出来ずにベッドで過ごしている彼本人にとっては、死んでいるも同然で価値のないもの。しかし、ある種1つのビジネスとして治療をしている病院にとっては、利益を上げられる価値のあるもの。そして、彼の家族にとっては、かけがえのない大切なもの。このように様々な立場からの青年の命の捉え方を見ることで、同じ命であっても立場によって第一に考えるものや尊重するものが変わることで命の価値が変わることを目の当たりにしました。まず、命に価値がつくということ自体が怖いことだと思いますが、この映画を通して、それは仕方のないことだと感じ、自分たちの命についても深く考え直すきっかけとなりました。よって、私たちは『決心のとき 患者に寄り添う医師たち』を推薦します。

④   『青年★チャオ』

この映画は、私達が成長と共に身につけてきた当たり前や常識に疑問を持つきっかけを与えてくれる。中国で生まれ育った主人公チャオは、成長する過程で愛国心を持っていた自国に対する見解が変化していく。ここでの面白さは、自分と異なる意見に触れた時に疑問を抱くのではなく、自分の意見を突き詰めた結果矛盾に気が付いたという点である。2018年、日本では成人年齢が18歳に引き下げられ、選挙権を得たり、様々な契約を保護者の同意なしに行うことが可能になった。だからこそ、未来の社会を作り上げる私達に必要なものは、多方面から国や社会を見て思考していく能力である。多様な考えを取り入れ、自分にとっての常識の根本から考えることは、新たな視点や理解を得るために重要であり、私達の行動に伴う責任を知る機会にもなる。この映画での同年代チャオの経験を通して、若者の悩みと成長を感じることは私達高校生に社会を捉え直すきっかけを与えてくれるものであると感じた。

⑤   『日本の最前線』

まず作品時間が30分と短いため集中して観れること、そして日本という私達にとって身近な場所で撮られたドキュメンタリー映画でありながら、日本の防衛という、ほとんどの高校生に馴染みのないテーマであることから選びました。この作品では、学校の授業では学べない、自衛隊の様子や、日本の離島防衛に対する戦争経験者の声、現在沖縄で何が起こっているのかを知ることができます。また、戦争によって何が変わってしまうのか、日本で再び戦争が起こらないようにするためにできることを知り、考えることができます。現地の方のインタビューからは、戦争の悲惨さや、戦争に対する強い思いを感じられました。今、日本が平和なのは私達の見えないところで頑張ってくれている方がいるからだということを再認識でき、石垣島で起こっていることを少しですが自分事として捉えられるようになりました。戦争を経験したことのない、戦争を遠い存在に感じている高校生にこそ、是非観てもらいたい作品です。

【最終選考会】

 

日時:2024年5月26日(日)13:00~16:00

会場:NITOBE THEATER(新渡戸文化学園視聴覚ホール)

〒164-8638 東京都中野区本町6-38-1 Tel: 03-3381-0196

※最終選考会は、会場でもリモートでもどちらでも参加可能です。


最終選考会に参加する方は、候補に選ばれた5作品を視聴してきてください。


当日は、一緒に参加している他校の選考委員と議論し、5本の候補作の中から「ベスト1」を選んでいただきます。選ばれた「ベスト1」作品は、6月23日(日)10:15~開催される『アジアンドキュメンタリーズ映画祭』(渋谷・ユーロライブ)で上映されます。

 

ご不明な点は、『今、高校生が観るべきドキュメンタリー映画!』事務局まで


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